近年、海洋散骨を希望している人が増えていますが、ご遺族の代わりに業者に代行してもらう「散骨代行」への注目が集まっています。
散骨代行は、高齢で船に乗るのが難しい方や、遠方に住んでいて移動が難しい方が選ばれることが多いです。
ここでは、散骨代行の流れや、そのメリット・デメリット、費用相場について解説します。
散骨という供養方法に興味がある方、散骨代行について知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
散骨代行とは
散骨代行とは、専門業者が家族や友人に代わって散骨を行う供養方法です。
高齢や体調不良、遠方に住んでいるなどの理由で、現地に行けない方に選ばれています。
ご遺族が現地に出向かなくても故人の希望を叶えることができるため、最近注目されている方法です。
参加型の散骨との違い
参加型の散骨は、ご遺族が船に乗り目の前で散骨を行いますが、代行型の散骨は、業者に散骨を委託します。
参加型の散骨ではご遺族が直接故人を送りだせるというメリットがありますが、移動や日程調整が難しいなどのデメリットもあります。
ご遺族の健康状態、お住いの場所などを考慮して、適した方法を選びましょう。
散骨を代行で依頼するメリット
散骨代行は、参加型とはまた違ったメリットがあります。
ここでは、散骨代行の主なメリットを3つ紹介します。
費用を抑えられる
散骨代行は、複数の散骨式をまとめて実施するケースが多いため、費用を抑えることができます。
参加型の散骨が8万円~40万円程度なのに対し、散骨代行は4万円~10万円程度と費用が安いのは魅力の一つです。
また、散骨式に参加するために必要な移動費や宿泊費も不要なため、遠方に住む方の経済的な負担も減らすことができます。
散骨に参加できない人でも利用できる
体調不良や高齢、遠方に住んでいる、船酔いをしてしまう、などの理由で海洋散骨に参加できない方でも、散骨を行うことができます。
希望の海域で散骨ができるプランもあり、家族が立ち会えなくても故人の希望を叶えることができます。
また、散骨式後には証明書や写真を送付してくれる業者も多いので、安心して任せられるのも魅力です。
安心して任せられる業者が増えた
近年、散骨証明書や当日の写真を提供してくれる業者が増え、安心して任せられる業者が増えました。
また、専門業者の数が増えているので、ご遺族の意向に合った業者を選ぶことも可能です。
多くの業者があらゆるプランを提示しているので、故人やご遺族の思いを叶えられる業者を選びましょう。
散骨を代行で依頼するデメリット
散骨代行は費用を抑えられて便利な一方、参加型の散骨とは異なる注意点もあります。
ここでは、主なデメリットを2つ紹介します。
散骨の瞬間を直接見られない
散骨代行は業者が代わりに散骨を行うため、ご遺族が直接散骨をする瞬間を見届けることができません。
海や風、当日の天気や波の音を感じながら送り出す経験ができないため、供養の実感が薄れてしまうという意見もあります。
ただし、多くの業者は当日の写真や散骨証明書を発行しており、現地に行けなくても信頼して任せられる仕組みが整っているので安心です。
日時や場所を選べないことがある
散骨代行は、複数の依頼を合同で実施することが多いので、実施日時やスケジュールを選びにくいという特徴があります。
また、海域を選べない場合もあるので、故人やご遺族の希望がある場合は、事前に業者と相談しておきましょう。
業者によっては柔軟な対応をしてくれる場合もあるので、早めに確認しましょう。
散骨代行を依頼する流れ
散骨代行を検討している方は、依頼から実施までの流れを把握しておくことが大切です。
ここでは、散骨代行を行うまでの一般的な流れを紹介します。
- 親族間でしっかりと話し合う
- 複数業者で相見積もりを取る
- 必要書類を用意して提出する
- 遺骨を業者へ送付する
- 粉骨作業を行う
- 散骨を実施する
- 証明書や報告書を受け取る
1.親族間でしっかりと話し合う
供養に対しての価値観は家族間でも異なります。
特に散骨は従来のお墓とは違う供養方法なので、事前にしっかりと話し合っておきましょう。
散骨を行うことを決めたら、その海域・方法・日時についても話し合っておくことが大切です。
2.複数業者で相見積もりを取る
散骨代行を行っている業者は日本にたくさんあります。
それぞれ料金やプラン、サービス内容、対応している海域が異なるので、少なくとも3社以上から見積もりを取り、内容を比較しましょう。
3.依頼する業者を選ぶ
見積書の内容を比較して依頼する業者を選びましょう。
業者選びの際は、見積もりの内容だけではなく担当者の説明や対応の丁寧さもチェックしておくと安心です。
4.必要書類を用意して提出する
依頼する業者が決まったら契約をして、必要書類を提出しましょう。
必要な書類や提出期限は業者によって異なるので、事前に確認しておくことが大切です。
5.遺骨を業者に送付する
散骨式の日が決まったら、それまでに遺骨を業者に届けましょう。
一般的に直接届ける方が多いですが、遠方に住んでいる方はゆうパックで送付することも可能です。
ゆうパックで送付する場合は、業者の指示に従い丁寧な梱包をしましょう。
6.粉骨作業を行う
散骨を行う場合、粉骨(遺骨を粉状に砕く)作業を事前に行う必要があります。
粉骨は自分でも行うことが可能ですが、精神的にも物理的にも難しい作業なので、業者に依頼することがおすすめします。
一般的に、散骨を依頼している業者に粉骨も依頼することが多いです。
7.散骨を実施する
粉骨が終わったら、いよいよ散骨式当日です。
業者が船で指定の海域に向かい、遺族に代わって散骨を行います。
8.証明書や報告書を受け取る
散骨後に、散骨証明書や当日の写真が送付されます。
これにより、現地に行かなくても散骨式の内容を確認でき、安心して供養を終えることができます。
散骨を代行で依頼した場合の費用相場
散骨代行の費用相場は、4万円~10万円程度です。
業者によって費用やサービス内容が異なりますが、粉骨や散骨証明書、写真などがプランに含まれているケースが多いです。
ちなみに、参加型の散骨にかかる費用相場は以下の通りです。
散骨の種類 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
個人散骨 | 家族や友人のみで船をチャーターして散骨をする | 15万円~40万円 |
合同散骨 | 複数の団体が船をチャーターして合同で散骨をする | 8万円~20万円 |
散骨代行は、参加型の散骨に比べて大幅に費用を抑えられる方法です。
予算やご遺族の意向に合った方法を選びましょう。
散骨代行を依頼する業者選びのポイント
大切な故人の散骨を依頼する業者だからこそ、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
ここでは、信頼できる業者選びのポイントをいくつか紹介します。
複数業者で相見積もりを取る
散骨代行の費用やサービス内容、対応海域は業者によって大きく異なります。
同じような価格でも、粉骨費用が含まれていない場合や散骨証明書や写真の発行がない場合もあるので、価格だけでなくプラン内容もしっかりと確認しましょう。
少なくとも3社以上から見積もりを取り比較することで、費用感が把握でき、納得した業者選びができます。
料金体系が分かりやすい業者を選ぶ
信頼できる業者は見積書の内容が具体的で明確なことが多いです。
「○○一式」のように大まかに記載されている場合、後から追加料金が必要になる可能性もあるので注意しましょう。
プランに含まれているサービス内容(粉骨、証明書発行など)が明確に記載されていて、料金の内容が具体的に書かれている業者を選ぶと安心です。
対応が丁寧な業者を選ぶ
お問い合わせ時の電話やメールでの対応からも、信頼できる業者かどうかを判断できます。
プランや料金の説明が明確で、質問の丁寧に回答してくれる業者は安心して任せられます。
特に、散骨代行は散骨式当日に参加できないので、事前の説明が丁寧であることが大切です。
不安が残らないように、気になることはしっかりと質問しましょう。
対応している海域で選ぶ
業者によって対応している海域が異なります。
故人やご遺族が希望している海域がある場合は、その場所に対応しているか確認しましょう。
希望している海域に対応していない場合でも、相談すれば対応してくれることがあるので、事前に相談してみるのもおすすめです。
まとめ
散骨代行は、当日参加できない方でも故人の希望を叶えられる素敵な供養方法です。
最近は散骨代行を行っている業者の数が増えたため、希望に合ったプランを選びやすくなっています。
業者を選ぶ際は、複数の業者から相見積もりを取り、予算・プラン内容・対応海域など、故人やご遺族の希望に合った業者を選びましょう。
信頼できる業者を選ぶことで、安心して故人のお見送りができます。