散骨は、新しい供養の方法として人気を集めています。
散骨であれば、お墓の管理をする手間もなくなり、お墓の継承者がいない方でも困りません。
そして、散骨にはスピリチュアルな考え方と密接な関わりがあると言う方もいます。
今回の記事では、散骨とスピリチュアルの関係性について詳しくまとめました。
散骨を検討しているけれど、魂の扱い・供養の方法・後悔がないかなどの不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
スピリチュアル(spiritual)とは何か
そもそも、スピリチュアル(spiritual)には、次のような意味があります。
- 精神的な
- 霊的な
- 魂の
スピリチュアルは物質的なものではなく、目に見えない内面や心の深い部分に関係する概念であり、様々な分野で用いられている言葉です。
例えば「スピリチュアルな生き方」と言えば、自分自身のみでなく他者や自然と調和し、精神的な豊かさを感じながら生きるような意味になります。
他者の考えや教養よりも、個人の感覚・精神性を重視する考えであると言っても良いでしょう。
スピリチュアルと宗教の関係
「スピリチュアル=宗教的」は誤った考え方です。
宗教は信仰の対象や教義が明確化された組織的なものです。
つまり、外部からの教えに従う必要があります。
それに対してスピリチュアルは個人的かつ自由な考えであり、自分の内面に従った考え方です。
スピリチュアルと宗教には明確な違いがあると考えましょう。
スピリチュアルな観点からの散骨とは

結論から言うと、スピリチュアルな考え方に答えはありません。
なぜなら、それは自分の内面から生まれるものであり、統一性やルールが存在しないからです。
そのため、スピリチュアルな観点から散骨を良い/悪いと考える2つの意見が存在します。
どちらの意見も個人的な解釈であり、正解も不正解もありません。
スピリチュアルな観点から散骨を良いと考えるケース
スピリチュアルな観点から散骨を良いと考える方は、このような感じ方をしています。
自然回帰により魂が自然に還っていく
自然回帰とは、現代のストレスや窮屈な環境から離れて自然と調和を求める思想・動きを指します。
散骨では、遺骨を海や山など自然の中に撒いて供養をする・お墓など物理的なものが残らないことから、魂が大自然の循環の一部に還ると感じられます。
また、遺骨が自然に溶け込むことで、樹木や海の一部に変わり、新しい生命として巡り続けるという考え方だと言って良いでしょう。
霊的浄化により魂を成仏させる
スピリチュアルな観点から、遺骨が自然に還っていくプロセスが、魂を平穏に浄化させるという解釈もあります。
死後の魂の行き先・考え方は人それぞれまたは宗教によって異なりますが、遺骨を一箇所に固定せずに解き放つイメージに近いと言えるでしょう。
従来の供養の方法と比較して、より開放的な印象です。
スピリチュアルな観点から散骨を悪いと考えるケース

スピリチュアルな観点またはこれまで培った固定概念から、散骨に対して、悪いイメージを持つ方もいます。
このような意見には根拠がないことも知っておきましょう。
散骨により魂がバラバラになってしまう
スピリチュアルな方の中には、「散骨をすると魂もバラバラになって苦しい思いをする・成仏できない」と考える方もいるようです。
ただし、その考え方は仏教の教義でも否定される意見です。
なぜなら、仏教では分骨を認めており、分骨によって魂がバラバラになるという教えは存在しません。
仏教の開祖であるお釈迦様の遺骨も、多くの国や地域に分骨されて納められたと言われています。
散骨によって遺骨が汚れる・濡れることが可哀想
海や山に遺骨を撒くと、遺骨が汚れてしまう・濡れてしまうことで可哀想に思うという方もいます。
しかし、この考えには矛盾があります。
なぜなら、従来の供養の方法であるお墓の中のカロートも、全く濡れない・汚れない環境下ではないためです。
カロートはお墓の地下部分に位置することから、時間の経過により結露・雨水の侵入で濡れてしまいます。
そのため、遺骨が湿気を吸ってかびる・細菌が繁殖する事例が多いのです。
同様に、手元供養で遺骨を管理する場合には、風通しが良い温度変化が少ない場所を選ばなければいけません。
遺骨が濡れる・汚れることは、故人の悲しみや苦しみには変わらないと考えるべきでしょう。
散骨による供養は法律的に問題がないのか?

散骨というと、「遺骨を自然に撒く行為は法律に触れないのか?」心配に思う方もいるようです。
結論から言うと、散骨は違法ではありません。
日本にはお墓に関する法律として「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」が存在するものの、そこには散骨についての明確な表記がないためです。
ただし、遺骨を粉骨せずにそのまま撒く行為は、刑法の遺骨遺棄に抵触する可能性があります。
散骨は遺骨と判別できない形状に粉骨してから行う
厚生労働省では、散骨は遺骨と判別できない2mm以下のサイズまで粉骨することをガイドラインで提示しています。
そのため、多くの散骨業者では、このルールを遵守した散骨を行っています。
粉骨を自分で行いたいと考える方もいますが、法律を遵守するためにプロに任せた方が良いでしょう。
散骨場所はどこでも良いわけではない
全国には散骨を禁止する地域もあります。地域別に条例が設けられているため、それぞれ確認する必要があるでしょう。
また、漁場・海水浴場・観光地周辺・私有地・水源地も散骨が禁じられています。
散骨業者は散骨ができるエリアを把握しているため、トラブルにつながるリスクを最小限に抑えられます。
散骨時には守るべきマナーがある
散骨に関しての考え方は人それぞれ異なります。
そのため、散骨には喪服での参加を避けるなどの配慮をしなければ、周囲の人の気分を害してしまう恐れがあるでしょう。
また、散骨と一緒に土に還らないもの(プラスチック・瓶など)を副葬品として一緒に撒くことは、環境汚染につながってしまいます。
散骨をする時には、散骨業者に守るべきマナーやルールを確認しながら、当日の服装や持ち物を決めるべきです。
さまざまな意見がある中でお墓を持たない選択が増えている理由

散骨は新しい供養の方法であり、年々人気が高まっています。
その理由には、社会的な背景が影響していると考えてください。
人々の価値観が多様化した
生活への価値観・死生観・家族観が多様化し、それが尊重されるようになった現在では、これまでの常識とは違った選択も行いやすくなりました。
スピリチュアルな考えの本質も、そこにあると言って良いでしょう。
供養の方法も、「お墓を建ててお墓に遺骨を納める」従来の方法以外の手段が、選択しやすい・選択肢に上がりやすくなったと考えてください。
お墓の後継者が見つかりにくくなった
少子高齢化と核家族化が進んだ現在では、お墓を継ぐ親族が見つけられないケースが増えています。
お墓を守る者がいなければ、お墓は荒れ果ててしまうでしょう。
また、管理費用を払い続けることもできず、無縁墓になる恐れがあるのです。
散骨のように、お墓を持たない供養の方法が多くの人から選ばれるようになったのは、このような理由も影響しています。
お墓を管理する手間から解放される
お墓は永続的に管理しなければいけません。
子供の数が減った現在、定期的なお墓掃除・劣化した時のリフォームなどは、特定の子孫へ重い負担として残ってしまう恐れがあるのです。
特に遠方に暮らしている場合、たびたびお墓の管理のために地元に戻らなければいけないケースも多いです。
経済的な理由
新規にお墓を建てる・建墓し直すためには、数百万円もの費用がかかります。
そして、お墓を維持するための管理費用は、ずっと発生し続けるものです。
さらに、いざお墓の維持が難しくなた時にお墓を閉じる「墓じまい」にも、さまざまなコストが必要です。
建墓後にかかる費用は、自分ではなく末代の子孫に引き継がれていくと言えるでしょう。
このような経済的な理由から、お墓を持たない選択をする方も増えています。
スピリチュアルな生き方を望む方におすすめの供養の方法

先ほどもお伝えしたように、スピリチュアルな考えは個人的なものであり、一言でスピリチュアルと言っても、全く逆の考え方も存在します。
しかし、その供養の方法の特徴を考えれば、スピリチュアルな方には以下のようなお見送りの選択肢をおすすめします。
散骨
遺骨を海や山に撒いて供養する散骨は、自然回帰の考えに直結するスピリチュアルな供養の方法だと言えます。
魂が自然と一体化し、再度新しい命として続いていく姿を想像すれば、故人が自然そのもののように感じられます。
遺骨自体は手元から離れますが、散骨により故人の存在を身近に感じられるという方も多いです。
樹木葬
樹木葬も散骨と同じように、近年人気を集めている供養の方法です。
樹木葬ではお墓を建てず、墓標として樹木や草木を植えます。
遺骨の扱いは樹木葬をする霊園によって異なるものの、散骨に近い供養の方法として人気を集めています。
合葬・個別葬などの選択肢があるため、事前に確認しておきましょう。
手元供養
故人の魂と共に行きたいと考えている方には、手元供養をおすすめします。
手元供養とは、遺骨をお墓や納骨堂に納めたり散骨したりせずに、文字通り手元である自宅に置いておく供養の方法です。
現在では、分骨をして遺骨の一部をアクセサリーに入れる・アクセサリーとして加工し、常に肌身離さず一緒に過ごすという方法を選ぶ方も増えています。
ただし、手元供養で自宅に置く遺骨は、敷地内でも土に埋めてはいけません。
日本では遺骨を墓地以外の場所に埋める行為を、墓埋法で禁じているためです。
散骨の種類と費用相場

散骨には以下のような種類があり、それぞれ必要な費用が異なります。
散骨に興味がある方は、そのコストや内容を知っておきましょう。
海洋散骨
海洋散骨は最も一般的な散骨の方法で、海に遺骨を撒いて供養します。
具体的には、船に乗って散骨可能な場所に移動し、散骨と黙祷などを行います。
散骨方法によって必要なコストが異なるため、以下を参考にしてください。
貸切乗船散骨
船を家族や親族のみで貸し切って散骨をするプランです。
しっかりプライバシーが確保され、人の目を気にせずに散骨ができますが、他のプランと比較して割高になります。
必要な費用の相場は20万円〜30万円です。
合同乗船散骨
一つの船に何家族かが乗り合わせて散骨をするプランです。
貸切散骨と比較して必要な費用を抑えられますが、スケジュールが思い通りにならない可能性があるというデメリットも存在します。
必要な費用の相場は15万円程度です。
代行委託散骨
最も手頃な価格で散骨をする方法は、代行委託散骨です。
家族や親族は船に乗車せず、散骨業者に散骨を委託します。
費用相場は5万円程度であるため、コストを抑えたい方・船が苦手な方・多忙な方におすすめです。
山林散骨
山林散骨は、粉骨した遺骨を山林に撒く散骨方法です。
しかし、土地には必ず所有者がいることから、自由に散骨はできません。
一般的には、散骨業者が用意した山林に散骨をすることになります。
散骨に必要な費用の相場は10万円前後です。
空中散骨
空中散骨とは、バルーンなどを使用して空中で遺骨を撒く散骨方法です。
バルーン葬の場合には、成層圏で散骨をすることになります。
バルーン葬の費用相場は、20万円程度です。
宇宙散骨
最も高額な散骨方法が宇宙散骨です。
遺骨を粉骨後にカプセルに入れ、人工衛星やロケットに乗せて宇宙に発射します。
人工衛星に乗せられた遺骨は地球を数ヶ月から数年旋回した後に、大気圏で燃え尽き、流れ星になります。
このような理由から、宇宙散骨を「流れ星散骨」と呼ぶこともあります。
必要な費用の相場は、30万円〜100万円程度です。
散骨をする前に考えるべきこと・行うべきこと

散骨をする前には、次のようなポイントをよく考える・実施することで、散骨後に後悔してしまうリスクを少なくできます。
散骨と家族に適した選択肢かどうかよく考える
供養の方法は自分一人で考えるものではなく、家族・親族で話し合いながら進めるものです。
なぜならお墓は親族全員の手を合わせる対象であり、お墓を持たないことで「祈る先がない」「先祖との接点が失われた」と喪失感に襲われる方もいるためです。
特に親族から反対意見がある場合には、時間をかけて話し合いを続ける必要があります。
どうしても意見がまとまらない時には、分骨も考えると良いでしょう。
散骨後の供養の方法を決めておく
自分・家族・親族全員の同意を得て散骨を決めても、「後悔するのではないか」と不安に感じる方もいます。
散骨は納骨と違い、やり直しができない行為です。
そのため、不安に思うことも仕方がないと言えるでしょう。
散骨後に喪失感に襲われる可能性があるという方は、散骨後の供養の方法を決めておくと良いです。
例えば、散骨をした方向に手を合わせる・散骨をした場所を毎年訪れるなどの方法で、お墓がある時と同じような供養を続けられるでしょう。
また、遺骨を失うように感じる場合は、分骨をして少量の遺骨を手元供養するという手もあります。
まとめ
散骨についての基本的な知識と、スピリチュアルとの関係について説明しました。
スピリチュアルな考えにはさまざまな思想がありますが、自然回帰や霊的浄化の観点から見れば、散骨とスピリチュアルには深い関係性があると言えるでしょう。
散骨を検討している方は、この記事を参考に後悔がない選択ができるようにしてください。